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【ネタバレあり】映画「寄生獣 完結編」を観てきた感想 / 原作とは違う視点で描かれた完結編
映画「寄生獣 完結編」を観てきました。
ネタバレ部分も含めて、感想を書きたいと思います。
前回の「寄生獣」では原作と違うところが多発して、若干混乱していた部分があったので、それをあらかじめ心に留めておいて観に行きました。
ちなみに、前作の感想はこちら。
▶ 【ネタバレ注意】映画「寄生獣」を観てきた感想 / 原作とかなり異なる実写化
また、公式で完結編を見る人のためのおさらいの動画も出ているようです。
感想としては前作(前編)よりも良かった、という印象でした。
前作で島田と新一との戦いの後からエンディングまでを2時間で収めたのは正直すごいな、と思いました。
もちろん、原作にあるシーンでカットされているところはたくさんあるのは時間上仕方がないですが。
まずはネタバレに触れず、簡単な感想から。
主人公の新一が前作以上に野性味というか、自立した感じがすごく印象的でした。
きっと寄生生物への異常なまでの復讐心がそうさせているのでしょう。
なので、前作以上にギラギラしている新一が見れました。
また、映画版「寄生獣」は寄生生物をVFXで表現しているのですが、後藤の体をVFXで表現しているところはすごく良かったです。
特に後藤の体がパニックを起こして、人間の体を保とうと必死になっている姿はかなり見応えがありました。
ストーリー的には原作と同じ流れなのですが、表現している部分が異なるようです。
新一が母子家庭になり、母との絆・愛が描かれている前作を踏襲するかのように、完結編でもその片鱗がいくつかあります。
そして、橋本愛の演技が本当にすごく良かった。
設定では高校生なので、幼さが残る部分と新一を信じる強い気持ちをきちんと表現していたのがすごく良かったです。
橋本愛ファンは絶対に見た方がいうと思います。
あと、自分が観た劇場では物語の後半で泣いている(感動?)人も何人もいました。
また、グロ苦手な人は相変わらず今作でもグロ度が高いので、控えた方が良さそうです。
人によっては泣ける映画のようなので、原作を読んでいない人にとってはいい映画と思うかもしれません。
で、ここからはネタバレ。
原作と違うところを並べてみました。
- 浦上と新一が対峙するシーンが浦上が一方的に新一をマジックミラー越しに見るという風に変わる(そのため、ラストの屋上のシーンで初めて出会うことになる)
- 原作にはない新一がミギーと一緒に料理を作るシーンが追加
- 三木が暴力団事務所を襲うシーンが外からの視点へ変更
- 調査員・倉森が母子家庭になっている(原作では妻もいるがいない)
- 倉森が田宮良子に恋愛感情を抱く
- 倉森が市長・広川と接触するシーンがある(その際に盗聴器を仕掛けるが見つかり、狙われる原因となる)
- 三木が新一と戦うシーンではあっけなく三木が倒される
- 三木が後藤の体に戻るシーンが追加
- 倉森が外出して、家に戻ってくると子供が殺され、かつ火事が遭ったことになっている(原作では殺されるのみ)
- 田宮良子が狙われるシーンでは、町中を笑いながら走るシーンはカットされ、3人に狙われるところでは瞬殺する
- 市役所に警察が乗り込むシーンと倉森が田宮良子の子供を誘拐し、田宮良子を誘い出すシーンが同じ時間軸になっている
- 田宮良子の子供を高いところから落とそうとするシーンで新一も合流して、説得する
- 田宮良子が警察に打たれた後、新一の母親に擬態化しない
- 田宮良子から子供を託されたシーンの後に新一の母親との思い出の回想シーンが入る
- 刑事・平間が後藤に殺される
- 市役所で警察と共に行動する浦上が人間か寄生生物かを判別するシーンでは全てが寄生生物(人間を射殺するシーンがない)
- 後藤が市役所に乗り込んだ警察を全て倒した後、そのまま新一との戦いに突入
- ミギーと後藤が戦うシーンでは、分離したミギーが八つ裂きにされるところまで描かれている
- 後藤から逃れた新一が逃げ込む場所がゴミ処理施設へ(美津代ばあさんとのシーンはなくなる)
- 逃げた新一に村野から電話がかかってきて、新一の元に駆けつける
- 駆けつけた後、新一と村野が結ばれる
- 新一の右手に目が出る(ここではミギーがいるという感動よりも、後藤に脳波が察知されるという危険を感じる)
- 再び後藤と対決する場所がゴミ処理施設
- 後藤の弱点の脇腹が映画ではなくなっている
- 新一が刺した鉄棒に放射線が付着していたため、後藤の細胞がパニックを起こす(原作では猛毒が付着)
- 後藤にトドメをさす方法が鉈から後藤の体をごみ焼却場へ投げ込むシーンへ
- 新一と後藤の戦いを村野が見守っていることになっている
- ミギーが眠りにつく理由が新一が後藤を倒す際に持った鉄棒に付着した放射能を新一の体から排除することで体質が変わったことに
- 原作ラストの新一と村野のデート先に田宮良子の子供に会いに行くシーンが追加
- ビルの屋上で浦上と新一が対峙するシーンで初めて新一が浦上と出会うことになっている
- 原作では新一が浦上にナイフで左手を刺されるが、劇場版ではナイフを弾く
- ビルの屋上から落とされる村野を右手を差し出す際にミギーが新一に呼びかけ、ミギーが手助けするシーンが追加されている
かなり多めですが、原作と違う点がいくつもありました。
個人的には新一とミギーの友情が描かれるシーンが減ったのが残念でした。
初めて後藤と新一が戦う際にミギーが分離して、結局はやられてしまうシーンでは原作ではミギーと別れて泣きじゃくるシーンがありましたが、映画版では皆無でした。
また、その後に新一と村野が結ばれるシーンが入ることで、そういうことしている場合じゃないよ!と思ったりも。
ミギーの目が出た時もミギーが自分の中にまだいる、という感動よりも、後藤がやってくるという危険を感じるシーンへと変わっていました。
ミギーと別れた時点でもうミギーはいない、と新一の心情的には思ってしまったのでしょうか。
そんな物語だったっけ…と思いながらも見ていましたが、映画版では描く視点や対象が違うということなのでしょう。
プラス、残念ポイントとしては三木(後藤に寄生している別の寄生生物)の登場するシーンがすごく短い、ということ。
せっかくピエール瀧さんを起用しているんだから、もう少し見せ場を作ったらいいのに…と思うほど短かったです。
5分も出ていなかった気がしないでもないです。
そういえば、前作からの謎なのですが新一や後藤は寄生生物のおかげで身体能力が人間以上にも関わらず、走るのがすごく遅いのはなんでなんでしょうか。
高いところから飛び降りる、ジャンプするときは高く飛べるなどはできるのに、走るのは普通の人並みというよくわからない設定も若干気になりました。。
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