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氷室京介のドキュメンタリー映画「DOCUMENT OF KYOSUKE HIMURO “POSTSCRIPT”」を観てきた感想
2016年7月1日から2週間限定で劇場公開されたロックスター・氷室京介のドキュメンタリー映画「DOCUMENT OF KYOSUKE HIMURO “POSTSCRIPT”」を観てきました。
言わずと知れた日本のロックスター・氷室京介。その氷室京介が2016年5月23日東京ドームにて行われたライブを最後にステージを引退しました。
今回のドキュメンタリー映画はそのロックスターが引退に至るまでの約6年間を追いかけたものとなっています。
ドキュメンタリー映画の構成としては以下のライブ公演を追いかけています。
- 2010年:全国ツアー「TOUR2010-11 BORDERLESS “50×50 ROCK’N’ROLL SUICIDE”」
- 2011年6月11日、12日・東京ドーム:「KYOSUKE HIMURO GIG at TOKYO DOME “We Are Down But Never Give Up!!”」(セットリストが全曲BOOWYと話題となったチャリティーライブ)
- 2014年7月19日、20日・横浜スタジアム:「KYOSUKE HIMURO 25th Anniversary TOUR GREATEST ANTHOLOGY -NAKED-」
- 2016年5月23日・東京ドーム:「LAST GIGS」
各ツアーの間に当時のインタビューが挟み、ロックスター・氷室京介の音楽に対する思いやパーソナルな部分にも踏み込んだものになっています。
「俺たちは、氷室京介を卒業できない」
その言葉がまだ胸にある人は確実に観た方がいいドキュメンタリー映画です。
これだけは確実に言えます。
映像の作りとしては、2010年をスタートにラストステージの2016年までを時系列になぞっていくというものです。
映画の見所としては、氷室京介のリハーサル風景などのオフショットでのインタビューやこれまであまり語られることがなかった彼の言葉、そして引退を決意した理由を告白する2014年7月19日の横浜スタジアム公演のMCシーンなど、かなり盛りだくさんな内容になっています。
(映画によると)リハーサルを含むツアーに密着することはほとんどないらしく、いわゆる貴重な映像がかなり使われています。
きちんとしたセットを組んでのインタビューシーンはほとんどなく、楽屋や移動中などでのシーンも多く、かなりプライベートな部分にも踏み込んでいます。ファンであれば、かなり楽しめるシーンも多いと思います。
また、氷室京介のストイックなパーソナルの根源の部分が表現されているのはすごく良かったです。
トップスターというのもあると思うのですが、ライブステージの照明から映像、音などの部分を総合プロデュースするあたりのシーンでは一切の妥協がない、というパーソナルな部分が出ています。
氷室京介の周りにいるスタッフの人にも焦点を当てたところもあり、その部分ではプロの仕事とは?というものを考えさせられました。プロの周りには必然的にプロの集団が集まってくるんですね。
しかし、途中挟んでくる語り手(おそらく監督自身)のドラマシーンが非常に邪魔で、これ必要?と感じました。演技もそこまで上手ではないですし、ドラマシーンも当然後発的に撮影しているものが多くて、不自然な感じがあったので、そこだけはどうかカットして欲しいよ、という思いでした。
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」みたいなものかな、と思いましたがそこまでのストイックな番組作りはされていませんでした。日本テレビ(NEWS ZERO)のドキュメンタリーの延長線なので、テレビが密着している感は否めませんでした。特に(一部の)映像のクオリティはテレビ番組のクオリティなので、すごくキレイというわけではなかったです。
しかし、氷室京介に興味がある人にとっては素晴らしい映画になったと思います。
ロックスター・氷室京介のオーラといいますか、画面に彼が映るとそれだけで絵になります。
映像がそこまで良くなくてもやはり絵になります。
そして、ライブシーンも割と多く、映画館での音響と大画面でライブの迫力を味わえるので、それだけでの満足感はあると思います。
また、Huluでは「DOCUMENT OF KYOSUKE HIMURO “POSTSCRIPT”」の完全版「PERFECT EDITION」が公開されています。映画館が近くにない、完全版を観たいという方はこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。